2010年8月 広島原爆忌 報道

8月7日(土)ゆだ苑主催の広島原爆忌を報じた新聞

■中国新聞

 広島原爆の日の6日、山口市宮野下の原爆死没者之碑の前で追悼式が営まれた。山口県内の被爆者たち約30人が参列。

 120体以上の分骨と740人の死没者名簿を納めた碑に1万7700羽の折り鶴と花を手向け、核兵器廃絶を願った。


 

 

 県原爆被爆者支援センターゆだ苑の岩本晋理事長(67)が「核兵器は被爆者だけの問題ではない。世界人類の問題だ」とあいさつ。午前8時15分のサイレンに合わせて参列者が黙とうした。

 ゆだ苑によると、県内の被爆者健康手帳所持者は3月末で4245人。この1年で163人減った。参列した被爆者の増原博さん(84)=山口市下小鯖=は「風化するのは悲しい。原爆と戦争のおろかさを少しでも伝えていきたい」と静かに語った。

 

 碑は1974年9月6日に建立。75年以降、ゆだ苑が9月6日を「山口のヒロシマデー」として平和式典を開いている。

■読売新聞

 広島原爆忌の6日、山口市宮野下の「原爆死没者之碑」の前でも追悼式が営まれ、県内の被爆者ら約30人が原爆犠牲者の冥福を祈った。

 式を主催した県原爆被爆者支援センターゆだ苑の岩本晋理事長が「原爆は広島、長崎の問題ではなく、人類の問題。被爆の事実や悲惨さを次世代に伝えるよう努めたい」とあいさつ。 


 

 

 防府市や山口市の被爆者らによる約4000羽の折り鶴を奉納、全員で献花し原爆が投下された午前8時15分に合わせて黙とうをささげた。 

 式後、昨年9月に建立された「非核三原則の貫徹と核兵器廃絶を誓う碑」の前に移動し、平和集会を開催。県原爆被害者協議会の竹田國康会長が「若い世代に対し核兵器のない世界を贈りたい」などと平和への決意を述べた。 

  

 広島で19歳の時に被爆した山口市下小鯖の増原 博さん(84)は「原爆の記憶が少しずつ風化して行くのがつらい。投下の瞬間や惨状はもちろん、どうして戦争が起こったのかを子どもたちに伝えたい」と話していた。 

  

 ゆだ苑によると、県内の被爆者は4245人(3月末現在)。

 死没者之碑脇にある納骨堂には、被爆して亡くなった740人分の原爆没者名簿と120体以上の遺骨が納められている。

 

■毎日新聞

 広島原爆の日の6日、山口市宮野下の原爆死没者之碑前では、被爆者や県原爆被爆者支援センターゆだ苑の関係者ら約30人が参加して追悼式があり、犠牲者の冥福と平和への祈りをささげた。

 

 同センターの岩本晋理事長は「核廃絶はもはや広島・長崎だけでなく、世界人類の活動になった。これからも頑張りたい」とあいさつ。県内の被爆者らがこの1年間でこしらえた千羽鶴1万7700羽のうち約4000羽を奉納。原爆が投下された午前8時15分から1分間、参加者全員で黙とうした。

 

 代表して、高松市の主婦、岡林あすかさん(37)と長男晄正(こうせい)君(5)が献水。2人は苑の関係者の親族で、苑が「若い世代へ継承を」と献水を依頼した。1年間、広島市に住んでいたというあすかさんは「戦争からは何も生まれない。原爆の悲劇を周りの人に伝えられるような大人になってほしい」と思いを語った。

 

 苑によると、県内の被爆者手帳所持者は4245人(3月末現在)平均年齢は78歳