2010年9月6日平和式典報道1

読売新聞 原爆死没者の冥福祈る山口の平和式典に200人

 「山口原爆死没者追悼・平和式典」が6日、山口市宮野下の原爆死没者之碑前で行われ、被爆者ら約200人が犠牲者の冥福を祈った。山口県原爆被爆者支援センターゆだ苑の主催。

 1973年9月6日、同市宮野下の山口陸軍病院跡で、広島で被爆したとされる兵士の遺骨の発掘・収集作業が始まり、75年から9月6日を「山口ヒロシマデー」として追悼・平和式典を毎年開いている。


 

 式典では、ゆだ苑の岩本晋理事長(67)が「核兵器廃絶運動の源泉は、原爆被害の実態を理解し、非人道性と犯罪性を広く知らせること。非業の死を遂げた被爆者の苦しみを、決して無駄にしない」と誓った。参列者全員で30秒間の黙とうをささげ、献花台に白、黄色の菊を手向けた。

 過去1年間に亡くなった県内の被爆者の内、遺族が希望した2人の分骨2体と7人の死没者名簿が納骨堂に納められた。参列した山口大大学院2年、満江亮さん(25)は「核兵器や戦争について考えるきっかけとして、平和のために出来ることを考えたい」と話した。

 

 ゆだ苑によると、県内の被爆者は、3月末現在4245人、昨年同期比で163人減少した。

 

毎日新聞「核兵器の被害、語り継ぐ」山口のヒロシマデー式典

 第36回山口原爆死没者追悼・平和式典が6日、山口市宮野下の「原爆死没者の碑」前で開かれ、被爆者や遺族ら約180人が参列し、核廃絶への思いを新たにした。


 

 県原爆被爆者支援センターゆだ苑(えん)が主催。73年9月6日、宮野下地域であった発掘調査で被爆兵士の遺骨が見つかったことを受け、「山口ヒロシマデー」として75年から毎年、式典を開催している。

 

 式では新たに亡くなった県内在住の被爆者2人の遺骨と7人の名簿が納められ参加者全員で黙とう。生協組合員らによる折り鶴約8万羽の奉納と献花後、ゆだ苑の岩本晋理事長(67)が「被爆者の方々の苦しみは無駄にはしない。戦争と核兵器の被害の真実を語り継ぎ、核兵器廃絶と被害者支援の運動に取り組んでいく」などとする平和の誓いを読み上げた。

 

 参列した被爆者の1人で山口市矢原の主婦、永野和代さん(66)は「世間では65年たったと言われているが、この体験を途絶えさせず、核兵器のない世界のために一人一人が頑張らなくては」と話した。

 県内の被爆者健康手帳保有者は2010年の3月末現在、4245人で、人口1万人当たりでは広島、長崎に次いで全国3番目に多い。

中国新聞 ヒロシマデー被爆者ら200人 平和への祈り山口で追悼式典

 「山口ヒロシマデー」の6日、県原爆被爆者支援センターゆだ苑は山口市宮下の原爆死没者の碑前で追悼・平和式典を開いた。

 被爆者たち約200人が参列し、核兵器の廃絶と平和への祈りを捧げた。

 

 この1年間にゆだ苑に死去が届けられた被爆者は8人、8人分の名前を加えた死没者名簿と、うち2人の遺骨の一部を納骨堂に納めて黙とうし、献水して冥福を祈った。

 ゆだ苑の岩本理事長が「核兵器廃絶運動の源泉は原爆被害の実態を知り、非人道性を継承していくこと。一人一人が取り組もう」と平和の誓いを読み上げた。

 

 医務保険課によると、2010年3月末現在、県内の「被爆者健康手帳保持者」は4245人。山口のヒロシマデーは1973年9月6日に碑の近くで身元不明の被爆兵士の遺骨発掘が始まった日にちなんでいる。