第3回原爆被爆者総合相談会を終えて
「第3回原爆被爆者総合相談会」を無事に終えて、昨年度より引続きご協力いただいた「宇部協立病院」から連絡があり、この度の相談会の模様を取り上げた記事が記載された「被爆者医療ニュース」を送付していただきました。
被爆者医療 ニュース №6
2012年10月3日 山口民医連被爆者医療委員会
9月29~30日、昨年につづき被爆者の総合相談会が開催されました。山口県原爆被爆者支援センター「ゆだ苑」が、県の委託で、被爆者の生活・医療を含むあらゆる相談に応じる事業です。
被爆者
総合相談会に24人
一日目は坂田医師が光市内の会場で、二日目は白藤医師が山口市内の会場で医療相談にあたりました。医療以外の相談には被爆者団体の方が応じ、二日間で合計24人の相談を受けました。うち、医療相談は10人でした。その一部を紹介します。
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Aさん(山口市)
「前立腺ガンの治療中です。ガンは遺伝するのでしょうか?」 -
白藤医師
「一人の内科医が総合的に診ておられ、重複投与の心配はありません。薬は減らしにくいでしょう。上咽頭腫瘍は経過が良いので、定期的に検査して大きくなったら切除、でよいでしょう」原爆は熱線・爆風・放射線による複合的な障害を与えました。被爆者は「具合が悪くなると被爆のせいではと気になる」「いつ発病するか不安」など、健康状態に不安を持って生活しておられます。 -
Bさん(周南市)
「右股関節変形でいつも痛みます。針灸の医療給付を受けたいのですが、現在通院中の医師に同意書を書いてもらえず困っています」 -
坂田医師
「お近くで書いてもらえる医療施設をゆだ苑の方から紹介してもらいましょう。体幹の紫斑は服用薬によるものかもしれませんので主治医にその旨を伝えてください」相談が終わると「安心しました。来てよかったです」と微笑みながら帰ってゆかれました。ふだん何かと被爆のことを話しづらい被爆者にとって、医療者が共感をもって話をしっかり聞き、相談にのることが大切です。
丁寧に対応していただき、相談者の方々は充分な相談ができたと思います。相談者の方々から「協立病院の先生に会えてよかった」と声をかけていただきました。ありがとうございました。(ゆだ苑より)
※相談会後、当院地域連携室に相談の続きが2件寄せられ、現在対応しています。